オリンピックデザイン全史 1896-2020(河出書房新社)

東京都書店商業組合は「オリンピックデザイン全史 1896-2020(河出書房新社)」をお勧めします。

http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309290737/

http://www.kawade.co.jp/olympicdesign/

 

本書の特徴

  1. 12020年東京オリンピックまで、全世界53か所で開催された、冬季大会を含む近代オリンピック全大会の基本データと、すべてのオリンピックデザインを網羅
  2. 2第2次世界大戦のため中止となった1940年東京・札幌オリンピック大会など、幻のデザインまで収録
  3. 3デザイナーの紹介やエンブレムや公式ポスターから、ピクトグラム、公式刊行物、入場券、マスコット、受賞メダルまで、各大会の独自のデザインを広く網羅的に紹介

 

デザインコンセプトを決定していく過程、試作品や制作風景、スタッフたち、さまざまなデザイン・バリエーションの展開なども同時に楽しめる。貴重な写真や史料をふんだんに織り交ぜながら、圧倒的な図版数で迫る豪華本である。

「エンブレム」の特集ページでは特筆すべき著者の記載がある。「歴代のオリンピック・エンブレム・デザインの上位3位までを個人的に挙げるとしたら……まぎれもないチャンピオンは、1964年東京オリンピックである。亀倉雄策のデザインしたエンブレムの優雅さ、明快さ、緻密さは他の追随を許さない」。その意味で、私たち日本人が誇れるデザインとしてのオリンピックがある。

 1964年の東京オリンピックを例に本書の内容を紹介すると、次のようになる。参加国・参加選手数などの基礎データ、大会とデザインの概要説明、大会を仕切ったデザイナー亀倉雄策の詳しい紹介、エンブレムのコンペ、タイポグラフィ、エンブレムとイメージカラー、エンブレムのパターン、制作側のデザインガイド、公式ポスター、広告ポスター、競技ピクトグラム(全種目)、案内ピクトグラム、公式刊行物、文化イベント、IDカードとバッジ、競技入場券、荷物タグ、入賞メダル、参加メダル、賞状、参加証書。32ページの中に、写真を含めたデザイン関連図版213点、街中や選手村の風景写真14点、合計227点が掲載されている。大会ごとに特徴が違うので、掲載図版も多少のばらつきはあるが、全体に統一された編集になっている。

 私たちは2021年に東京オリンピックを迎える。本書にもエンブレムやマスコットが掲載されている。そして、他のオリンピックも見てみよう。気づかなかったデザインの数々にあらためて驚くことだろう。

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